ウィーンの伝統ある洋菓子店「デメル」でアンナトルテを堪能
私が20代の頃、パティシエとして初めて働いたケーキ屋のショーケースに並んでいた「アンナトルテ」
主役ではなく、あくまで脇役でいつも端っこの方に並んでいた。
あまり日本のケーキ屋では見かけないケーキかもしれないが、私は運良くアンナトルテと出会うことができた。
まだパティシエの見習いの頃は、アンナトルテを作ってみたいと強く思っていた。
やっと仕込みを任されたのは勤めて2年の時だった。アンナトルテの仕込みから仕上げをすべて任された。その時の喜びは今でも覚えている。
そして、今まさにオーストリア・ウィーンで本物のアンナトルテを目の前にしている。
本物ってどんな味なのか。
本場のアンナトルテを食べてみて思ったこと
食べてみて思ったことは、自分が作っていたアンナトルテと全く違っていた。
グランマルニエのお酒の香りが強く感じた。チョコレートのクリームが分離してるような感じで、そしてすごく甘かった。
私がケーキ屋で作っていたアンナトルテは、チョコチップを入りのアーモンド生地を4枚にスライスし、お酒の入ったシロップを生地に染み込ませ、チョコレートのガナッシュを4枚の生地に塗って重ね、回りをチョコレートのバタークリームでコーティングする。そして冷蔵庫で冷やし固める。
仕上げは、溶かしたミルクチョコレートを、冷やした大理石で薄く伸ばし、ケーキを包み込むようにして巻きつける。そして粉糖をかければ完成だ。
本場のアンナトルテ
- チョコレートのスポンジのみでチョコチップは入っていない
- お酒が強い
- チョコがものすごく甘い
- 中に挟んでいたのはチョコレートガナッシュではなくチョコレートクリーム
- 周りをチョコレートのバタークリームでコーティングしていない
まとめ:日本のアンナトルテのほうが美味しい
美味しさを感じたのは、日本で作るアンナトルテでした。もちろん文化の違いで、国によっての美味しさの基準も違いますし、日本人は甘さすぎるのを好みません。なので仕方ないと思いますが、味のバランスや繊細さは日本が優れているのかなと思います。
これもまた勉強でしたので、ウィーンで本物のアンナトルテを食べられたことは今宵もない幸せでした。
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